2023年夏頃より、トラリピなどのリピート売買において、マイナススワップに悩まされる方が急増しています。

実はこれまでもマイナススワップの運用については賛否が入り乱れていました
ですが、ここに来てマイナススワップを毛嫌いする方が目立ちます。
わたし自身は以前よりマイナススワップには気をつけるべきと言い続けています。

マイナススワップには気をつけるべし
その一方で、マイナススワップの通貨ペアも自身の運用に組み込んでいます。
つまり、マイナススワップを徹底的に排除しているわけではありません
では「マイナススワップには気をつけろ」の真意はなんなのか?
このブログにて詳細に解説していきます。
一言で言うならば、それはトータルの運用でスワップが大きくマイナスに傾かないようにすることです。
マイナススワップはメンタルを蝕(むしば)む

マイナススワップの弊害をいまさら説明する必要はないでしょう。
トラリピに代表されるリピート売買は時間を味方にして、赤字のポジションも黒字になるまで耐え続ける手法です。
言い換えれば「時間を味方にして」利益を生み出すFXの運用方法です
それなのに、マイナススワップはポジションを保有すればするほど赤字が増えます。
まずもってリピート売買と相性が悪いのがこのマイナススワップなのです。
だからマイナススワップにはしっかり気をつける必要があります。
ただしマイナススワップを過度に避けるのはご法度
マイナススワップを完全に避けてリピート売買を運用しつづけることができれば理想ですが、現実はそうはうまくいきません。
その理由を知るには為替と金利の関係をしっかり理解する必要があります。
ネットで言われている「金利の低いところから高いところにお金は流れる」(プラススワップがつく通貨ペアが好まれる)
これは投資行動の心理としては正しいですが、片側の側面でしかありません。
一般的には金利が低い国の方が経済が安定しており通貨の価値が上がりやすいのです。
ですから少し前までは高金利通貨に手を出すのは大きなリスクがあると考えられていました。
そして低金利のスイスフランはこの10年で価値が上昇しつづけています。

つまり限られたレンジでリピート売買をするには、多かれ少なかれマイナススワップを含む運用が必要だということになります。
また原則的には2国間の金利が同じくらいの通貨ペアの方が条件的にはレンジを形成しやすいということにもなります。
マイナススワップに気をつけ、なおかつ避けないという真意

ここまでマイナススワップについて2つのことを述べてきました。
- 1つはマイナススワップはメンタル的にとても負担が大きいということ
- もう1つは、マイナススワップを完全に避けるとリピート売買に向いた狭いレンジの通貨ペアの運用は難しくなるということ

特にハーフ&ハーフを行うならスワップの反転は免れない
この両方を満たすために大切なのはバランスです
運用する通貨ペアを上手に組み合わせて、日々のスワップがややプラスに傾くように工夫するとマイナススワップの悩みから解放されます。
気をつけてほしいのは、あくまでもリピート売買向きの通貨ペアを組み合わせることを優先するということです。
その上で、もしマイナススワップに運用が偏ってしまっているようであれば、それを解消する工夫をしましょう。
順序を間違えてスワップを優先してしまうと、リピート売買でもっとも大切な「安定したレンジの通貨ペア」を見逃してしまうので気をつけましょう。
実は通貨間の金利バランスはそう大きくは変わらない
こうしてリピート売買向きで、なおかつトータルでややプラススワップに傾いた複数通貨ペアの設定が出来れば鬼に金棒です。
実は主要な通貨間の金利バランスは短期間でそう大きく変わることはありません
その証拠に2020年コロナショック発生時から現在までの世界の金利状況を見てみましょう。

コロナショックが発生した2020年春は世界中で金利を下げる動きがありました。
市場に出回るお金を増やして景気を下支えするためです。
これが過熱してインフレになったので2022年からは世界中で金利を上昇させました。
現在はやっとこの金利上昇が止まってきています。
これは多少の差はあれど世界で共通した金利の流れです
このことを持ってしても、通貨ペアの金利バランスは大きく変わりにくいということがわかると思います。
ただしこの流れに反した例外的な国があります。
そう日本です
日本だけはコロナショックを通じて今の今まで低金利を続けています。
ですからクロス円の通貨ペアのみ金利バランスが崩れてしまっているのです。
特にユーロ円は金利バランスが大きく変わってしまいました。
以前は売りポジションでプラススワップだったのですが、ユーロが金利を上げるのに合わせてスワップもマイナスになり、その額もどんどんと増えているのです。
マイナススワップ問題の本質はユーロ円じゃない
おさらいしていきましょう。
リピート売買向きの通貨ペアを組み合わせてややプラススワップに傾くように気をつける
このことさえしっかりできていたら、リピート売買の運用はスワップ的には何も問題はありません。
なぜなら前述した通り
主要な通貨ペアの金利バランスはそう大きく変動はしないから
わたしもユーロ円の売りのリピート売買においては、2022年からマイナススワップでの運用になりました。
結果として損失を出して運用を終了しましたが、マイナススワップになってからも1年近くも運用を続けていました。
それはスワップの問題ではなく、本質的にはユーロ円のレートがレンジが大きく上抜けしたのが問題だったからです。
ユーロ円をマイナススワップで運用している間も、わたしのリピート売買のトータル運用のスワップはずっとプラスでした。
このようにトータルでバランスが取れていれば、1つの通貨ペアでスワップバランスが崩れても、それが直接的な問題にはならないのです。
ユーロ円マイナススワップ問題の本質
もう少し掘り下げて、マイナススワップ問題が発生しているユーロ円運用の本質はなんなのか?を解説していきます。
問題の本質はクロス円に偏重したトラリピ運用です
通貨間の金利バランスはそう大きく変わることはないと前述しました。
ただしこれは俯瞰(ふかん)した視座で大きく為替を見た時の話です。
近年の日本円のように、例外的な通貨も存在します。
だからスワップを含めた通貨ペアのバランスこそがリピート売買運用の成功のカギなのです
それなのにクロス円のみ、またはクロス円に偏重したトラリピ運用を行っていたらどうでしょう?
今回のように例外が発生した時に、そのあおりをモロに受けてしまいます。
これがいま正にユーロ円トラリピで起こっている問題です。
たとえ同じようなユーロ円運用を行っていても、クロス円に偏重していなければ、スワップが全体の運用に大きな影響を及ぼすことはありません。
利益(差益)の最大化に重点を置きつつスワップは軽視しない

まとめるとリピート売買においては以下の2つがとても大切だとわかります。
- 狭いレンジを形成している通貨ペアを選ぶこと
- 通貨を偏重させずに分散すること

それを踏まえると、おのずと運用全体の日々のスワップは小さめに落ち着くはずです。
その時点で、もしスワップがマイナスであれば、少しプラススワップの通貨ペアを入れてバランスを取りましょう。
これはメンタルを安定させる上で大切になります。
逆に大きなプラススワップになるよう、力を入れ過ぎるのも考えものです。
なぜなら原則としてリピート売買に適した通貨ペアは大きなプラススワップにはなりにくいからです。
そしてハーフ&ハーフを使うのであれば、現在は大きなプラススワップの通貨ペアでも、売り買いが反転するとスワップもマイナスにかわるリスクも考えるべきです。

このことから考えても、やはりスワップのバランスはややプラスくらいに抑えておくのがリピート売買ではベストだと思います。
もしスワップを重視したいのであればリピート売買とは別の投資を行うべきです。
例えば、スワップ投資であれば必ずしもレンジ相場である必要はないので大きくスワップを稼げる運用もできるでしょう。