人民元とユーロでサヤ取りできそう!
みなさん、相関係数って知っていますか?
相関係数は通貨ペア同士がどれほど似たような値動きをするかを数値化したものです。
中国人民元とユーロ円はかなり相関係数が高かったので両方の通貨ペアを使って、異通貨ペアのサヤ取りに挑戦してみます。
異通貨ペア スワップのサヤ取りとは?
相関係数が高い通貨ペア同士は同じような値動きをするという特徴があります。
その際、片方の通貨ペアを売りで、もう片方の通貨ペアを買いで所有すれば、為替のレート変動の影響を限定できます。
レート変動の影響を限定した上でスワップの差額を受け取ろうというのが、異通貨ペア サヤ取りの特徴です。
似たような戦略として、同通貨ペアのスワップサヤ取りがありますが、多少の違いがあります。
異通貨ペアサヤ取り | 同通貨ペアサヤ取り |
---|---|
レート変動の影響 少 | レート変動の影響 0 |
スワップ差 多 | スワップ差 少 |
同通貨ペアのサヤ取りの特徴
同通貨ペアの方は、同じ通貨ペアなのでレート変動の影響を全く受けません。
その代わり同じ通貨ペアなので基本の政策金利も同じです。
だからFX会社によってバラつきのあるスワップ額の差を利用しなければなりません。
よってスワップ差額は少なくなります。
異通貨ペアのサヤ取りの特徴
それに比べて異通貨ペアのサヤ取りは違う通貨ペアを運用します。
ですからレートが全く同じに動くとは限らず、多少レート変動の影響は受けてしまいます。
ただし2つの通貨ペアは政策金利も違います。
安い金利の通貨ペアを売り、高い金利の通貨ペアを買えば、多くのスワップ差益を得ることができます。
ここ1年の中国人民元円とユーロ円の相関係数
2020年1月18日にセントラル短資FXが提供している200日の通貨ペア相関係数を確認してみました。
これによると中国人民元とユーロ円は0.95という非常に高い相関係数が出ています。
2019年10月15日における相関係数も以前のブログに載っていますがその時点でも0.96という高い相関係数を示していました。
図を見ても値動きがかなり似ていることがわかります。
長期の中国人民元円とユーロ円の相関係数
長期の人民元とユーロ円の値動きの相関性も比べてみましょう。
残念ながら過去の相関係数は見つからなかったのでチャートを取得して見比べてみます。
完全に一致はしていませんが2012年後半からはかなり似たチャートになっています。
相関係数は高いと言えそうです。
念のためにユーロ人民元のチャートも確認してみましょう。
相関係数が100%であれば全く値動きがないチャートになるはずです。
ユーロ人民元のチャートをみると、ここ2012年以降では6.7~8.7になっています。
さらにここ3年ほどでみると7.3~8の間の狭い値動きになっています。
やはり相関係数は高そうです。
中国人民元円/ユーロ円のサヤ取り運用方法
ユーロ/人民元のレートは2019年から7.8前後で推移しています。
これに合わせて ユーロ円 1:人民円元7.8の割合でポジションを持つと評価額の変動が抑えられるはずです。
中国人民元円/ユーロ円の保有ポジションとスワップ額
ただ、わたしは今後人民元の価値が上がると考えているのでユーロ円 1:人民円元8の割合でポジションを持つことにします。
これだと、相対的にユーロのレートが上がると評価損、逆に人民元のレートがあがると評価益が出ることになります。
中国人民元円は同通貨ペアのサヤ取りも運用しているので、比較のために全く同じ20万通貨にしました。
ユーロ円を 1:8 の割合で保有すると2.5万通貨になります。
現在、ユーロ円はLIGHT FXの売ポジションが+1円、人民元円の買ポジションが+20円(2020年1月17日現在) です。
為替差損が発生しなければ、1日402円の利益が発生することになります。
*人民元円のスワップは1月末までのキャンペーン額です。 通常の+10円に戻れば日額202円の計算になります。
中国人民元円/ユーロ円 サヤ取りの必要資金
現在の人民元円のレートは約16.05円、ユーロ円のレートは122.15円です。
LIGHT FXの人民元円1万通貨の証拠金は6420円なので、20万通貨だと128,400円になります。
同じくユーロ円は1万通貨48,858円, 2.5万通貨で122,145円です。
合計すると証拠金だけで250,545円、つまり約25万円必要です。
これを資金50万円で運用すると仮定します。
50万円だと、ユーロ円は136.677円がロスカットラインです。
そして人民元円は50万円だと14.106円がロスカットラインです。
これはどういうことかというと、ユーロ円がロスカットラインの136.677円に達した時、人民元が今のレートの16.05円以上であればロスカットにはならないということです。
また逆もしかりです。 人民元が14.106円まで下がってしまってもユーロ円が今のレートの122.145円以下であればロスカットにはなりません。
しかも、毎日スワップが入ってくるのでこのロスカットレートの基準はどんどんゆるくなっていきます。
このように資金50万円はレバレッジ12.5倍、維持率200%ととても危険そうに見えますが、わたしはこのくらいレバレッジをかけても問題ないと考えます。
余談ですが、評価額がほぼ一定のFX 3すくみ戦略を行っていたときは維持率120%でも全く問題はありませんでした。
今回は維持率は一定ではありませんが、逆の動きをする通貨ペアを扱っているのでこのくらいの資金は必要と考えました。
異通貨ペアのサヤ取りは資金効率が良いのが魅力
異通貨ペアのサヤ取りを同じFX口座で行うと、とても資金効率が良いことが魅力です。
人民元円の同通貨のサヤ取りの方は資金80万を用意して、1万通貨あたり1日14円(通常スワップに戻ると4円)の確定利益が発生します。
それに比べて異通貨ペアのサヤ取りでは資金50万円で1万通貨あたり1日20円強(通常スワップに戻ると10円)のスワップ益が確定します。
ただし、異通貨ペアのサヤ取りではユーロ円と人民元円のレートによって、為替差損が発生するリスクはあります。
逆に為替差益が発生して、さらに利益が出る可能性もあります。
確実に資金を増やすなら人民元円でのサヤ取り、リスクはあっても利益を狙うなら資金管理も楽な人民元円/ユーロ円のサヤ取りが良いでしょう。