ハロ、ハローめがねこです
トラリピを運用する上で、トラップ幅は常識的な狭さで、決済幅を広くすると利益を最大化できるというのがバックテストなどでめがねこがたどり着いた答えです。
でも、どうして決済幅を広くとると利益を最大化できるのか、しっくりくるイメージを持っている人はほとんどいないのではないでしょうか?
めがねこもこれまでいくつかのブログで広い利益幅の利点を述べてきましたが、どうしても卓上の論理になってしまいがちでした。
そこで今回は決済幅(利益幅)を広く取ることで大きな利益が出るパターンを図解にして解説することにしました。
実は以前にも似たようなブログ記事を書いたことがあるよ
でもその時はトラップ幅に焦点を当ててしまったので内容が複雑化してしまいました
今回は決済幅(利益幅)だけに検証ポイントを絞ってよりわかりやすくなるよう努めました
疑似グラフを使って確定利益の差額を検証する
このトラリピにおける広い決済幅(利益幅)の有効性というのは、残念なことですが、いまだに市民権を得られていません。
ATRという1日の平均ボラティリティ(値動き)を測定するテクニカル指標を参考にして決済幅(利益幅)を決めたほうがよいという考えが根強く浸透しています。
このため、今回はこのATRに寄せて疑似グラフを作成してみました。
疑似グラフ
ATRはチャートの波を捉える指標であり(実はこの認識も正確ではない)、その波が繰り返す回数が多い方が利益を最大化できると言われています。
ですから、今回の疑似チャートはあえて1円のレンジで波が4回繰り返すチャートを作成してみました。
波が繰り返されているのは1円の幅のみなので、表面上は1円が理想の決済幅(利益幅)に見えます。
検証のために疑似グラフに適用する決済幅(利益幅)
さて、検証用の疑似グラフは準備できました。
ここからは検証の条件を定義していきます。
まずはトラップ幅、こちらは1円とし1回に1000通貨、買いのみのトラップとします。
トラップ幅 | 1円 |
トラップ1回の通貨数 | 1000通貨 |
トラップについては同条件で、決済幅だけ1円の場合と3円の場合で検証して獲得できる利益額を比べてみます。
なお、今回はトラップ幅も1回の通貨数も同じなので必要となる資金はどちらのパターンもまったく同じになります。
このため、資金額の違いを気にすることなく決済益の差額のみに集中して検証できます。
【検証結果】決済幅(利益幅)が1円のとき
決済幅が1円の時には、9回の利益が確定しました。
1円の波は前半の2回と後半の2回の計4回のみでしたが、レートが上昇し続けた中盤も順次利益が確定していくために合計9回の利確で計9,000円の決済差益がでました。
上の確定利益のグラフを見るとチャートの上昇をムダなくとらえているのがわかります。
波が繰り返す幅を基準にして決済レートを決めると、このようにムダなくレートの動きをとらえることができます
【検証結果】決済幅(利益幅)が3円のとき
決済幅(利益幅)が3円の時は4回の利益が確定
回数は少ないですが1度利益が確定すると3000円の差益が発生するので計12000円の差益を獲得できました。
これは、決済幅が1円だった時の9000円より3000円も多い結果です。
どうしてこんなことが起こるんだどん?
はじめと終わりに2回ずつ1円の波があったところでは利益が確定せず、ムダにも見えてしまいますがこちらの方が利益が増えるのです
広い決済幅が大きな利益を叩き出すメカニズム
広い決済幅には一気に大きな利益が出るメカニズムがあります。
言葉で「3円の決済幅」と聞くと、ポジションを保有したレートから3円の値動きが必要なので、利益が確定するまで長い期間が必要に感じます。
実際に前回から次の利確までに数か月~半年ほどの非常に長い期間が必要な場合もあります。
でも1度決済レートにたどり着くと後続のポジションがたくさんの含み益を抱えて利確を待っている状態になるのです
ですから、レートが一方的に動くときは決済幅が広くても連続で決済が発生するのです。
上記の画像をみるとこのようなことがわかります。
①あるポジションが決済レートに到達する
②その後もレートが一方的に動く
この2つの条件が達成されていれば、いくら決済幅(利益幅)が広くても、後続のポジションはトラップ幅の分だけレートが動きさえすれば利確ポイントまで達することができます。
言い換えれば決済幅を広くすればトラップが2重にも3重にも重なりやすくなるのです
小さな決済幅では波をとらえられないムダが減る代わりにこのトラップの重複も減ってしまいます。
ムダがなくなればなくなるほど利益は増えやすくなりますが、それだけではなく、トラップの重なりも利益を増やす大きな要因なのです。
このメカニズムのために広い利益幅では短期間に信じられない額の確定利益を叩き出すことがあります。
ですから、広めの利益幅でトラリピの利益を最適化することが可能なのです。
人が動くのは心が動いた時
めがねこはずいぶん前にトラリピを検証していた際に、この広い決済幅が利益を最適化することに気づきました。
でも、この「気づく」には何段階ものレベルがあります。
バックテストなどのデータでは広い決済幅がよいとわかっても、わたしもそれだけでは実行に移すことはできませんでした。
なぜ広い決済幅で利益が増えるのだろう?
この疑問を頭で考え続け、同時に試験運用をした結果を分析することで「あ~これだから広い決済幅は有効なのか‼」と自分の中で納得するに至りました。
今回はその頭の中を重い腰をあげてブログ記事にすることができました。
いままで何度か広い決済幅は有効だと言い続けてきましたが、今回のブログ記事で「なぜ有効なのか」のイメージを持てる人が1人でも増えれば幸いです。