「トラリピは含み損をかかえて運用するもの」
ネットではこんな言葉が半ば常識のように飛び交っています。
そんな中、「評価額がスゴいことに」というのはなかなか衝撃的なタイトルに感じたのではないでしょうか?
残念ながらトラリピの本質というのはどんな運用でもかわりませんので、魔法のように含み損を消してしまうのは無理な話です。
ただ、あることをすると普通のトラリピより含み損が減り、評価額がプラスになる期間も大幅に増えるのです。
設定ガイドでトラリピをはじめよ♪
【答え】トラリピの利益幅を広げる、それだけ
トラリピの含み損を減らす、なくす方法は利益幅を広くする・・・以上です。
はい? まさかのハバハバ詐欺?
ごうどんがびっくりするのも無理ないですよね。
ただ利益幅を広げるだけで含み損が減るというのは腑に落ちないと感じてしまうのではないでしょうか?
このブログを書いているめがねこは、前々からトラリピでは広い利益幅がよいと提唱し続けていました。
でも、そんなわたしでさえ広い利益幅が含み損を減らすことは想像していなかったのです。
でも、運用データを見ると事実そうなっています。
【実例】オージーキウイの評価損益の衝撃
百閒は一見にしかず!ということで、いまのところ含み損減に最も効果があると思われるオージーキウイのハーフ&ハーフの運用データで検証してみます。
オージーキウイ(豪ドル/NZドル)ハーフ&ハーフの設定
まずは設定の確認に少しお付き合いください。
レート | 買/売 | トラップ幅 | 本数 | 決済幅 |
---|---|---|---|---|
1~1.07 | 買 | 25pips | 29 | 250pips |
1.07~1.14 | 売 | 25pips | 29 | 250pips |
いわゆる、ナローレンジといわれてる設定です。
利益幅はトラップ幅の10倍の250pips、円だと2.5円にも相当する広い利益幅にしています。
なぜ、こんなに広い利益幅にしているのかと言うと、バックテストで最適だという結果が出たからです。
なお、この設定はSBIFXめがねこで実際に稼働中のものです。
オージーキウイトラリピの含み損の推移
資金4万円弱で行っているオージーキウイの含み損の統計を取ってみたところ14か月の運用期間のうち8か月で評価額がプラスでした。
月 | 評価額 |
---|---|
2020年8月末 | -1.039円 |
9月末 | +667円 |
10月末 | +994円 |
11月末 | -952円 |
12月末 | +1,875円 |
2021年1月末 | +1,010円 |
2月末 | +1,013円 |
3月末 | -1,381円 |
4月末 | +765円 |
5月末 | +1,360円 |
6月末 | +1,023円 |
7月末 | -97円 |
8月末 | -2,587円 |
9月末 | -993円 |
ほんとうにほとんどの期間でプラスだ
「出口戦略」がむずかしいトラリピにとっては衝撃のデータね
たぶん、表を見ても額が少額すぎてイメージがわかないと思うので、ここでわたしが資金170万円で運用しているオージーキウイコアレンジ戦略の含み損のデータもお見せします。
こちらも利益幅を途中で250pipsに増やしていますが、上記のハーフ&ハーフのように含み損を減らす最適化はできていません。
当たり前のように評価額は-20~40万円の間をいったりきたりしています。
これでは運用をやめた時に評価額の分だけ利益が減ってしまいます。
そこで、さきほどのハーフ&ハーフの評価額を資金170万円に換算してグラフを重ね合わせてみたらどうでしょう?
なんとハーフ&ハーフの評価額の方は-5~+8万円の間で推移しています。
バックテストの結果ではハーフ&ハーフは利益率が少しだけ落ちるという検証結果が出ていますが、それは評価額を加味しない数字です。
ハーフ&ハーフ+広い利益幅を実践すれば、(資金170万円運用で)評価額は10万単位で高くなるので、そのぶん安定した運用もできるし、いつ辞めても最大に近い利益を得られる安心感までついてくるのです。
オージーキウイ運用期間のチャート
参考のために運用していた7か月間のオージーキウイのチャートもお見せします。
赤のエリアが売りのレンジ、青が買いのレンジです。
運用期間中はレートがこのレンジの中にすっぽり入っていました。
これが、評価額がプラスだった大きな要因です。
評価額の面でみるとオージーキウイには天国レンジがある
ここまでブログを読んでくれた方は、利益幅の広さが生みだす含み益が評価額に大きく影響していることがわかったはずです。
そして、この含み益がとてもふくらみやすいのが前述したオージーキウイのハーフ&ハーフなのです。
グラフの黄色いエリアを見てください。
このエリアが売り買い両方のポジションで含み益を抱えているエリアです(運用開始時のレートにもよります)
このエリア内にいる限りは、評価額がプラスのポジションが数多くあることになります。
だから全体的にみるとかなりの含み益の恩恵を受けます。
このため、実際わたしのAUDNZDハーフ&ハーフ運用では評価額がプラスの期間が長かったのです。
オージーキウイの天国レンジにはどのくらい滞在しているの?
さて、わたしのオージーキウイのトラリピ実績では14か月のうち8か月で評価額がプラスでした。
これが単に幸運だったのか、これからも含み損がほとんどない月が期待できるのかが気になるところだと思います。
そこで過去5年で天国レンジに滞在していた日は何日あったのか調べてみました。
期間 | 2016年3月1日~ 2021年2月28日 |
天国レンジ | 1.045~ 1.095 |
期間内の平日 | 1,305日 |
天国レンジ内だった日数 | 944日 |
天国レンジの割合 | 72.33% |
なんと過去5年間をさかのぼってみても72%の日で天国レンジ内に滞在していたのです。
わかりやすく天国レンジを色塗りしたグラフも作りましたのでみてください。
水色に塗られているエリアの上と下に時折スパイクのような出っ張りがみえます。
これが5年間のうちで、天国レンジから外れてしまったタイミングです。
グラフを見ても、かなりの期間で天国レンジ内に滞在していたことがわかります。
つまり、わたしがオージーキウイのトラリピを運用していて、10/14の月で含み益が発生していたのはなにも特別なことではなく、ここ5年の傾向からすると普通だったのです。
評価額押し上げ効果はカナダドル円のような他の通貨ペアにもある
この評価額押し上げ効果はもちろん他の通貨ペアにもあります。
手動リピートで運用しているカナダドル円で手軽にその効果を確かめてみましょう。
カナダドル円トラリピは利益幅2.6円で運用しています。
2021年3月2日のブログ執筆時のレートはこちらです。
そして、わたしが抱えているカナダドル円ポジションで含み益が500円以上あるものはこちらです。
つまり単純に計算すると利益幅0.5円(差益500円)で運用している時と比べて、評価額が上記の分(5,605円)高くなります。
こんかいは5000円ほどだったけど、最高で1万円ちかく評価額に差がでるよ
利益幅を広げても評価額が増えないこともある?
利益幅を広げると評価額が増えやすくなりますが、常に評価額が増えるというわけではありません。
レンジアウトしてしまった場合はこの限りではありません。
たとえばすべてのトラリピが決済してしまえば、ポジションはないので利益幅が広くても狭くても評価額は0円となります。
また、逆にレンジを下回ってロスカットしてしまった場合でも、トラップ幅の条件が同じであれば利益幅に関係なく、保有しているポジション数と評価額は全く同じになります。
これは言い方をかえれば、利益幅を広げて評価額の面で損をすることはあまりないと言うことです。
損をすることもあるにはあるけどレアケースなのでここでは触れません
トラリピの含み損を消し去る魔法はないが広い利益幅は含み益を貯めまくれる
オージーキウイを広い利益幅でトラリピ運用したら50%以上の期間で評価額がプラスでした。
評価額がプラスということは、その間に運用をやめても確定利益+αの利益を得ることができるということになります。
つねに含み損を抱えていると言われているトラリピ運用でこれは大きな発見ではないでしょうか?
これを過去5年で検証してみても、同じく70%以上の期間で天国レンジに滞在していました。
この傾向が続く限りオージーキウイで含み損があまり発生しない運用方法を発見したことになります。
ハーフ&ハーフでなければ、売り買い双方の含み益が期待できる天国レンジは発生しないので、わたしのオージーキウイ設定は様々な条件をクリアしていたことになります。
そう考えると、すべてのトラリピで含み損を小さく抑えるのはかなりハードルが高いことがわかります。
それでも、ただ利益幅を変えるだけで評価額が目に見えるほど違ってくるのも事実です。
利益幅を広くするだけで、ほとんどの期間で評価額がアップします。
バックテストにおいてはほとんどの通貨ペアで、利益幅が広いほうが利益率があがるというデータが出ました。
さらに、プラススワップの期待できるトラリピ運用であれば、利益幅を広く取りポジションの保有期間を長くしたほうがスワップ益でも差がつきます。
広い利益幅はいいことずくめなのです。
利益幅が広いと利益率が大きく下がるのでは?と心配な方はわたしのトラリピの利益率をあなたの実績と比べてみてください。
設定ガイドでトラリピをはじめよ♪